スキニーギニアピッグのケアについて

普通のモルモットと同様、スキニーギニアピッグを健康で幸せに過ごさせるためには、シンプルですが特別なケアが必要です。 通常の平均寿命は5~7年ですが、世話のよくいき届いたモルモットは、10年ほど生きることもあります。 モルモットはおしゃべりで、何か異常がある場合は、飼い主に知らせてくれます。 特にこれといって決まった「正しい」飼い方はありません。 重要なのは、忙しくなった場合にでも、 定期的にきちんとお世話をすることです。





モルモットを飼う前のチェックリスト

住まい

全てのスキニーギニアピッグには住み家が必要です。棚や段差のあるおりを購入するのもいいですが、 通常は大きくて平らなスペースを好みます。他の有毛小動物と異なり、スキニーはジャンプしたり、登ったりしません。 お家選びにはいくつかの選択肢があります。もし家庭内に犬や攻撃的な猫を飼っている場合、 彼らからスキニーをどのように保護するか考えましょう。


店で購入する?手作りする?

店で販売しているケージは完全に囲ってあるタイプが一般的ですが、ほとんどの場合走り回れるスペースが十分ではありません。 モルモット用の小さめのおりが販売されているのをよく見かけますが、実はあまりいいものとは言えません。 健康を保つ為に、モルモットには走り回る事が出来るスペースが必要です。さらに、小さいおりは頻繁に、 時には毎日の清掃が必要となり、 掃除を怠るとペットの健康に悪影響を与えます。大型のケージを店で見つけるのは難しく、 もしあった場合でも非常に高額である場合がほとんどです。





手作りのおりや囲いは、安価で、比較的簡単に作れます。スペースも十分に確保でき、1週間に一回の清掃で大丈夫です。 サンタバーバラスキニーギニアピッグはキューブ・アンド・コロプラスト(C&Cと呼ばれています)のケージをお勧めしています。 おりはインテリアメッシュというメッシュパネルで出来ており、ホームセンターなどで1,000円前後から売っています。 おりの底面は養生パネルで出来ています。養生パネルとは波状の段ボールのようなもので、ホームセンターなどで、 幅910mmX長さ1820mmのシートが一枚数百円で購入できます。 「www.GuineaPigCages.com 」 にシンプルで色々な種類のカスタム「C&Cおり」の作り方が掲載されています。




寝床

モルモットには、柔らかくて吸収性のある寝具が必要です。モルモットは口と鼻を床にとても近づけて歩く為、 適切な種類の寝具が必要となります。 これがケージを常に綺麗にするのが重要な理由です。不適切なタイプの寝具を使うと、 呼吸に異常が出てきたり、呼吸器疾患を患らったりする可能性が出てきます。 金網の床は、清潔に保つのを簡単に出来ますが、 モルモットの足に良くありません。 有毛モルモットでさえ、足の裏の肉球部分は無毛です。 一日中立っているモルモットには、柔らかい床が必要です。

ウッドチップは経済的に最も優れた寝床ですが、使う素材は無臭の木材である必要があります。 ポプラや乾燥松などが良いでしょう。ふわふわして柔らかいウッドチップが望ましく、ペットショップで安価で購入できます。 ペットショップでは、通常小動物用には紙製の寝床用素材を取り扱っています。これ単体でも、ウッドチップと混ぜても使ってもかまいません。 ヒマラヤスギや他の匂いのきついウッドチップは有毒で、呼吸器系に問題を引き起こす可能性もあるので避けましょう。

フリース地は、毎日の洗濯が気にならない方向けです。 毎日交換する必要がありますが、他の寝具よりケージが汚れにくいでしょう。



ケージの置き場所

スキニーギニアピッグには、寒さや日光から身を守る毛を持たない為、室内で直射日光を避けて生活する必要があります。 有毛モルモットは暑さに弱く、比較的涼しく保つ必要がありますが、スキニーギニアピッグは暑さに少しは耐性があります。 通常は横たわって、温かくいられる隠れ場所が必要です。



小物類

モルモットは隠れるのが好きです。木製やプラスチック製のハウスをペットショップで売っていますが、段ボールでも十分です。 トイレはケージの清掃を簡単にしたり、ペットに清潔なスペースを与えるのに役立ちます。 モルモットにトイレを使うよう訓練させるのは簡単です。まずモルモットがよく排泄する場所にトイレを置くことから始めてください。 トイレで排泄するようになるまでにそれほど時間はかからないでしょう!





エサやり

モルモットは馬のような草食動物です。果物や野菜はおやつには良いですが、主食は干し草、モルモット用ペレット、 そして草などがよいです。 他のペットとは違って、モルモットは体内でビタミンCを生成できませんので、エサから補給する必要があります。



ペレット

ビタミンCの最適な栄養源は、モルモット用のペレット状のエサです。ウサギ用や他のペット用のものにはビタミンCが含まれていません。 干し草や干しオーチャード、干しチモシーなどから作られたペレットが最適です。アルファルファのペレットには、他のタイプのペレットよりも、 より多くのプロテインやカルシウムが含まれており、赤ちゃんモルモットのみに適しています。




干し草

ギニアピッグは他の何よりも干し草を好みます。むしゃむしゃ食べたり、干し草の下に隠れたり、遊んだりするのが大好きです。 干し草にはいくつか種類がありますが全ての種類が適しています。チモシー、牧草、オーチャードなどがあります (サンタバーバラ・スキニーギニアピッグはオーチャード種を使用しています)。 アルファルファは干しさや豆で、 タンパク質やカルシウムが大人のモルモットにとっては多すぎます。アルファルファは、 硬くて尖っているため、 デリケートなスキニーギニアピッグの肌を引っ掻いてしまうかもしれません。最も新鮮で柔らかい干し草は、 通常飼料店にあります。多くの場合、小さい俵のようにまとめられた一塊ごとに売られていています。




新鮮な食べ物



ニンジンはモルモットにとってお気に入りのごちそうです。リンゴも好んで食べます。ケールやコラード、カブ、パセリ、ブロッコリー、 ダイコンなどの葉菜類もごちそうになります。与える際は、人間用のサラダを作る時と同じ様に洗ってあげてください。 水気の多いセロリは、移動時で水を与えられない場合に最適です。新鮮な野草も与えられますが、 殺虫剤や除草剤を使用していないものにしてください。 多くのモルモットは、野外の芝生の上で草を食べたり、 囲いの中で遊ぶのが好きです(野外で遊ぶときは危険がないよう見守ってあげてください)。




与えてはいけないもの

健康上の理由から人間の食べ物は避けるべきであるのに加えて、安全上の理由から決してモルモットに与えてはいけないものもあります。 以下はモルモットにとって有毒で危険な食べ物です。

常に新鮮できれいな水が飲めるような状態にしてあげてください。お皿からは簡単に飲めます。 また、囲いの中でモルモットを飼っている場合は、ペットショップで購入できる給水ボトルが最適です。


健康管理

スキニーギニアピッグは通常は健康ですが、他の有毛種よりもかかりやすい病気があります。スキニーギニアピッグには、 シラミがわくことはほぼありませんが、日焼けや皮膚がん(日光にさらされることによって)、引っ掻き傷や皮膚の感染症 (田虫等)などの皮膚症状にかかる恐れがあります。

全てのモルモットは、比較的敏感な消化器官を持っています。食べ物や水、 寝床の素材などを突然変えないように注意してください。 変える場合には、 出来るだけ少しづつ変えていくようにして下さい。

飼っているモルモットの性質や性格をよく知り、癖や行動の変化を見極めて、病気を防ぎましょう。

危険な状態の兆候!

これらのいずれかの症状が見られた場合は慎重に対処すべきです。モルモットを観てくれる獣医さんへ連れて行ってください。 スキニーギニアピッグの健康上の問題は他の小動物と大きく異なるため、 行きつけの獣医がスキニーに関する知識が豊富かどうか前もって確認しておいてください。経験豊富でない獣医は、 他のペットには安全でも、 モルモットには大変危険な特定の抗生物質などを処方してしまうことも起こり得ます。







入浴

彼らが住んでいるケージが清潔に保たれている限り、スキニーギニアピッグは自分で自分を綺麗に保ちます。舌と足を使って自分を毛繕いするので、 スキニーギニアピッグをお風呂に入れる必要性はほとんど無いでしょう。特別な目的がない限り、入浴させることはお勧めしません。

もしスキニーギニアピッグが汚れていたら、まずぬるま湯に浸したペーパータオルで優しく汚れを落としてください。もしこれで十分ではない場合は、 清潔なシンク、たらい、浅い鍋などにぬるま湯をためて洗ってあげてください。もしそれでも十分でない場合、私たちがスキニーギニアピッグに使用するスキンケア製品は 「アビーノ ベビークレンジングセラピー」です。使い方は、スキニーギニアピッグをぬるま湯で湿らせて、アーモンドサイズぐらいの分量のケア製品を手の平に取ります。 両手をこすり合わせて製品を手のひらに広げ、スキニーギニアピッグの背中、肩、首、お腹や足を手のひらでマッサージしながらクリームを広げます。 頭や顔にはつけないでください。ぬるま湯で優しく洗い流しスキニーギニアピッグの鼻、口や目にお湯がかからないように注意してください。 クリームを洗い流し終えたらすぐにタオルで拭いて、完全に体が乾くまで温かく保ってあげてください。やけどする可能性があるので、ドライヤーは使わないでください。

スキニーギニアピッグを家に連れていく前に質問しましょう

会ったことのないモルモットに会わせる

ペットとしてのモルモットは、精神面、情緒面や健康面を考慮すると、可能な限り2匹以上の同性の集団で飼われるべきです。 オス・メス両方いる場合には、性別ごとに別のケージで飼うか、オスを去勢する必要があります。しかし小動物の手術は危険が大きいので去勢はおすすめ出来ません。

可能であれば、モルモットが若いうち(生後12週以下がベスト)にモルモット同士を会わせてみるのが良いでしょう。 残念ながらそれが出来ない場合には、新しく飼うモルモットが非常に若いうち(やはり生後12週以下がベスト)に大人のモルモットに会わせるのがおすすめです。 大人のモルモットが赤ちゃんモルモットに対して攻撃的になることはまれですが、警戒音を発したり、喉を鳴らしたり、歩き回ったり、踊ったり、威嚇的な行動を取ることは十分ありえます。

モルモットは、縄張り意識が発生しないような公平な環境で会わせるべきです。たくさんの野菜、牧草の山、草、もしくはトンネルもモルモットの注意を逸らせ、 徐々に安全にお互いの存在に慣れるのを助けるでしょう。モルモットが互いに慣れるまで、隠れ場所は作るべきではありません。 一匹目のモルモットが隠れ場所に入っているときに、二匹目が入ってしまうと、最初に隠れたモルモットは個人的スペースが侵され、閉じ込められたように感じます。 もし二匹が良く慣れていなければ、隠れ場所はしばしば関係を悪化させます。モルモットが個人的なスペースを侵されたと感じた場合に、すぐに逃げ道があるトンネルはお勧めです。 トンネルの中で二匹のモルモットに真ん中に入ってしまった一匹が挟まれた状態になる可能性があるので、3匹以上のケージには細くて長いトンネルは向いていません。 短くて幅の広いトンネルであれば最適です。トンネルはペットショップで購入できます。また、段ボール箱で自作することもできます。 ダンボールで作った3枚のパーツをテープでとめて三角柱を作ります。この構造だとトンネルの形を保ったまま、モルモットが簡単に通り抜けることができます。

モルモットを初めて会わせた時に喧嘩を始めた場合、モルモットが出血するまでケガを負わない限り、仲裁に入らずに二匹が問題を解決するまで見守ってあげてください。 しかし体を守る毛を持たないスキニーギニアピッグの場合は、残念ながら出血にまで至るような事態に発展する可能性が高いので、面会には特別の注意が必要です。 面会中は必ず監視し、手にはチリトリやほうきや手ごろなものを持っていて下さい。そうするとモルモットが喧嘩になった場合、二匹を簡単に引き離すことができます。

喧嘩するたびにモルモットを別のケージに引き離すのは良くありません。時間がかかっても、最初から互いの存在を許容する状態にまで持って行かなくてはいけません。 いちいち別ケージに引き離していると、モルモットは喧嘩をすることによって人間が気にくわないモルモットを別のケージに移動させてくれることを学んでしまいます。 そのため、ケージに入れて会わせてみるという過程を繰り返すだけになるか、モルモットの関係性をさらに悪化させる可能性があります。

公平な環境での面会が十分にうまくいった場合、モルモットを一緒にケージに入れることが出来ます。もしまだ緊張感があるのであれば大きいケージであるほど良いでしょう。 理想を言えば、どちらのモルモットにもなじみの無いケージが一番ですが、もしそれが無理なのであれば、非常に清潔なケージが良いでしょう。 ケージからモルモットの臭いを完全に消しておけば、どのモルモットも縄張り意識を感じにくいでしょう。繰り返しますが、一時的に隠れ家は取り除き、 牧草、野菜をたっぷり入れ、大きなトンネルのような気を紛らわせるものを入れて下さい。仲良くなっていないモルモットからの視線を断ち切ることが出来るので、 出入りが自由に出来るカーテンで仕切られた場所を作るのも良いでしょう。

メッシュパネルで2つに仕切られたケージを使うのも、モルモットをお互いに慣れさせるのを助ける方法です。 この方法だと誰もケガをすること無く一日中他のモルモットと一緒に過ごさせることが出来ます。この仕切ったケージと監視しながらの面会とを組み合わせることによって、 大人のモルモットでも徐々に仲良くさせることができます。

「合同入浴」もモルモットによっては効果を発揮します。二匹のモルモットを一緒にお風呂に入れ、二匹が不快な経験を共有します。 そして最終的には二匹一緒にいつもと違う臭いになるという経験を経ることで、二匹が仲良くなるという流れです。これは多くのモルモットに対して有効な方法ではありますが、 もちろん全ての状況において機能するわけではありません。合同入浴は、モルモットに一緒に過ごす時間を喜んで受け入れるの様にするために十分な時間をかけるという事以外は、 通常の入浴と変わりません。暖かくしてモルモットが凍えないように保たれている限りは、モルモットを仲良くさせるために合同入浴させるのにマイナス要因はありません。

モルモットは孤独を好む?

どちらかといえば、初めて出会うモルモットとはうまくなじない傾向があります。 これはこのモルモットがどのモルモットとも友達になれないということを示しているのではありません。 仲間が近づいてきても、他の子に比べて馴染みにくいモルモットもいます。ここであきらめないでください。 他のモルモットのケージと並べて飼育すれば、同じ種族の仲間と触れ合うことなく過ごさずにすみます。 近所の公園で遊んだり、離乳したばかりの赤ちゃんモルモットとあいさつしたり、気難しいモルモットと一緒に合同入浴してみるのも良いでしょう。